先日の「渡辺茂男先生の思い出をかたる会」にでなかった話をひとつ。
「モービル児童文化賞」というのをご存知でしょうか?日本の児童文化の発展・向上に貢献されている個人、団体をたたえる目的で1966年に設立された賞で、児童文化全般を対象としたジャンルの広い、他に類をみない特徴的な賞といわれています。何年度か定かではありませんが、渡辺先生がこの賞をうけられました。私は数人の友人と相談して、先生にお祝いをすることにしました。同期生から小額の寄付を集めて何かお祝い品をお贈りすることになりました。さすが渡辺先生、思ったよりたくさんの同期生が参加してくれました。そして友人たちと3人で銀座に品物を買いに行きました。相談して、先生にちょっと高級なYシャツをお贈りすることになりました。友人は「Yシャツなら絶対に英国屋」と言い、私は「和光がいい」と言い張りました。結局私は負けて、英国屋でお仕立て券つきのYシャツを買いました。それから多摩の先生のお宅に伺い、代表としてお祝いをお渡ししました。先生はとても喜んでくださいました。でも「他のものにも替えられます」と友人が言うと、先生は「奥さんのものでもいいの?」とおっしゃいました。「なんでも大丈夫です」と言ったものの、英国屋には女性用のものはありません。しまった!と心の中で思いました。やっぱり和光にすればよかったのです。そうすれば奥様のものに自由に替えることができたのです。このときばかりは私は自分が強く主張できなかったのが、すごく残念で悔しく思いました。そして先生の愛妻家ぶりが目にみえた日でした。