2012年4月21日土曜日

どろんこハリーの実力



友人にベトナムに住むお孫さんがいます。先日友人が急にベトナムに行くことになりました。
私はお孫さんに絵本をプレゼントしたいと思いました。でも時間がなかったので新しく買わずに自分の手持ちの本の中から選ぶことにしました。ベトナム語と日本語を話す5歳の男の子には何がいいか?幼稚園に行っているのは知っていますが、何が好きなのかもわかりません。自分の書棚の前に立ち何冊か手にとってみて考えました。そして選んだのは「どろんこハリー」の絵本です。

友人はベトナムから帰ってすぐに電話をくれました。お孫さんがどろんこハリーの絵本をとっても気に入ってくれたそうです。毎晩おばあちゃんである友人に「読んで 読んで」とせがみ、疲れていても何回も何回も読んだそうです。「日本語に触れてほしいということもあるし、私も何回読んだか・・」そしてこんなことまで言ってくれました。「何万冊も絵本がある中で良くもこんなに好きな本を選んでくれたものだと本当に感心した」

きっとこの本とお孫さんの理解度がぴったりあったのでしょう。あとやはりこの本の持つ特長、子どもにわかりやすく、子どもの共感をよぶ。それに子どもたちに身近な犬が出てきて、冒険も楽しい。この本が子どもの絵本としてかなりレベルの高いのが証明されたようです。昔からあるので近頃あまり気にとめていませんでしたが(でも書棚にあったということは私が好きで手に入れたものですが)、改めてこの本の素晴らしさに気づきました。これからもっと子どもたちにすすめましょう。日本の子どもだって喜ぶはずですもの。
(友人のお孫さんが大きくなってこの本をみたらおばあちゃんを思い出したりしたらとってもステキ)

「どろんこハリー」 ジ-ン・ジオン/マ-ガレット・ブロイ・グレ-アム 渡辺茂男訳 / 福音館書店
(世界傑作絵本シリ-ズ)     ★ 訳者の渡辺茂男さんは私の恩師です。昔のブログにも書いてありますが、私は渡辺先生のおかげで文庫の世界に入ったのです。