2012年4月12日木曜日

人生を変えた一冊(T図書館の展示から)


近隣の図書館で「人生を変えた一冊」という図書館利用者の展示イベントがありました。これはその時に図書館に提出したものです。先日この中に出てくる友人と会ったとき、このはなしをしました。彼女はとても興味を持ってくれました。そこでブログに載せることにしました。図書館に展示されたものですが、自分の文章だから載せてもかまわないでしょう。


『私は昔交通事故で長い間入院したことがあります。そのとき子どもの本を配達してくれた人がいます。お見舞いに本をプレゼントするのではなく、文字通り配達し回収する、つまりご自分の本を運んでくれて私はベットでそれを読み、また次のときに別の本を持ってきてくれ、読み終わった本は持ち帰ってくれるのです。私にはこのお見舞いはとても嬉しいものでした。時間が十分あったので本を読みたかったというだけでなく、私が選ばないもの、気づかなかった本など私にとっては目新しい本が多くありました。
「少女パレアナ」「パレアナの青春」はその中の一冊でした。当時私は40才台半ば、そんな私がこの本を読んでパレアナの前向きな性格に大いに感動したものです。のちに「喜びのあそび」として評判になったと知りましたが、この本を貸してくれた友人の明るく他人の悪口を言わない性格などこの本に影響されているのかななどと思いました。普段活動的な私が否応なしにじっとしていなかればならなかった状況もありましたが、とにかくこの時点ではとても衝撃をうけた本となりました。さてすっかり時間がたった今、私は相変わらずパレアナのようにはなれず人生は変えられませんでした。友人は体調を崩しちょっと元気をなくしています。感動したこの時期が懐かしい日々となりました。』

このはなしをしたとき、その友人は「パレアナの本は無人島に持って行きたい本」と言っていました。彼女は大好きな本を私に貸してくれたのです。そしてそれからもずーとこの本が大事な本なのです。一冊の本でこれほど気持ちがつながることができるなんて、本って本当に不思議なものですね。

 少女パレアナ、 パレアナの青春:エレナ・ポーター作 村岡花子訳 角川書店 昭和61年(改訂第6版)非常に古いものです。