2012年5月22日火曜日

本屋大賞『舟を編む』が我が家で流行った。

「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」  魂の根幹を吐露する思いで、荒木は告げた。  「海を渡るにふさわしい舟を編む」  松本先生が静かに言った.。-----------「本を編む」本編より。

 ──そう、今辞書編纂の過程をテーマとする小説である。  辞書をつくるというのは、どこか開発者の仕事と似ている。完成の日を夢見て、こつこつと地道な作業を積み重ねる。小説では、『大渡海』が日の目を見るまでに15年の歳月を要している。この間に関わった人たちは年を取り、人事異動も行われた。さらには、会社の上層部の判断で、発行中止の危機的状況に陥ったりもした。一種の狂気が漂う世界で、かかわったみんなが一心不乱に仕事に打ち込む。そして、ついに──。予想しなかったことだが、 辞書に愛着を覚えさせる本である。(ネットより一部掲載)

今や超有名になったこの本の解説をするまでもありませんが、この本をめぐる我が家のはなしです。 外国に住む孫(13才)が春休みに一時帰国しました。帰るときおじいさんである夫が三浦しをん著の『舟を編む』をプレゼントしました。 夫は仕事柄辞典をつくるということに関心をもち、はじめは自分用に買ったのですが、三浦しをんが好きという孫にまわしたそうです。 少ししてその本を読んだ孫から次のメールがきました。

≪『舟を編む』とても面白いです!!N子はとても三浦しをんさんが好きです。読みやすいので(。-_-。)≫この簡単なメールでじじ、ばばの読みたい心に火がつき、まず夫が読み、それから私が読みました。 感想はいずれも「すごく面白い!」 私は辞書をつくることをテーマにしたなんて自分では考えられない興味深いことでした。 この本を読んでこのところ忘れられがちの「一つのことを信念をもって愚直に続ける」ことの素晴らしさ、また一つのことをやり遂げるにはたくさんの人びとの有形、無形の協力、同じ想い、同じ強い意志などで文字通り支えられているのだということを、まるで孫と同じ中学生のように生真面目な気持ちで感じ取りました。さらに日本語の美しさ、それをもっと大切にしなければと思いました。

『船をあむ』の最後の(ところ)少し感動しました。(お父さんは泣いてました(笑)
これも次に来た孫のメールです。この短いメールですが、 心優しい(と思われる)息子がどの部分で泣いたのか想像できました。 この孫とまた会ったおりにもっと詳しくこの本のはなしをしたいと願っています。この本が面白かったなんて 我が孫ながら「すごーい!」とじじ、ばばで話し合っています。