2013年8月26日月曜日
はだしのゲン ー2013 バンビぶんこー
このところ何日間も「はだしのゲン」の話題が沸騰していました。
これはこの騒ぎの前にあったバンビぶんこでの「はだしのゲン」の話題のお届けです。
夏のはじめのころ4年生のMちゃんが文庫に来るなり「おばさん 『はだしのゲン』ある?」と聞いてきました。
私はどこぞの学校図書館と反対に「はだしのゲン」を書架からおろして居間の一番目に着く場所に移していたのです。
すぐに手にとって「ハイ これ!」と何冊か渡しました。内心嬉しく、読む子が来た来たと心の中でほくそ笑んでいました。
Mちゃんは何冊か貸し出しカードに記入しました。そして座って読み始めました。
しばらくすると「おばさん これ借りない」と言ってきました。「どうしたの?借りていけばいいのに」と私が言うと
「だって怖いもん、嫌だ 嫌だ」というのです。仕方がないなと思ってカードから消しました。
次の文庫のとき、気づいたらMちゃんが「はだしのゲン」を読んでいるではありませんか。一般に子どもは漫画を読むとき
集中しますが、Mちゃんもとても集中していました。そして次の文庫の日も私のそばの椅子に座って黙って「はだしのゲン」を
読み続けていました。私はついに声をかけてしまいました。「Mちゃん それ怖くないの?」Mちゃんはこう言いました「ここで
読んでたら怖くないよ。家だと怖くなっちゃうけどね」
私はMちゃんに教えられたような気がしました。なるほど本はどんな読み方をしてもいいのです。それに子どもは大人が思う
よりもずっと判別能力に長けていて、嫌なものは自分でやめるし、大人よりも自由に心に取り入れ、そして想像力を伸ばしているのです。
大人の判断で閲覧制限をするなんてとんでもない間違いです。
長年読みつがれた「はだしのゲン」はこれからも子どもたちが読み継いでいってほしいと心より思いました。
もう一つの「はだしのゲン」のはなしです。
「はだしのゲン」が大好きな子どもがいます。T君です。幼稚園のころから読み始め、1年生になったこの春すでに全巻読み終えました。
まだ6歳なのにずいぶん早いと思いましたが、T君は他の本も結構難しいのを読んでいます。
私は昔このブログに「はだしのゲン」というタイトルで投稿したことがあります。今回調べたらそれは2007年6月17日のことでした。
文庫にくる一家が「はだしのゲン」のファンだという内容でしたが、この時に載っている半年の赤ちゃんがこの子なのです。
時が流れ、赤ちゃんは小学生になり、そして「はだしのゲン」は読み継がれています。これこそ「はだしのゲン」の実力でしょう。
とんでもない閲覧制限事件から逆に「はだしのゲン」の素晴らしさを再確認した夏の終わりでした。