Mさん一家はバンビぶんこの目の前に住んでいました。3歳のRちゃんと赤ちゃんだったJちゃんの3人で文庫に通ってきてくれていました。
【Mさん】 それまではもっぱら移動図書館「たびびと君」利用でした。
*「たびびと君」懐かしいですね。杉並区でまだ区立図書館が少なかった頃にあった移動図書館です。
本好きのMさんとお子さんたちは 毎回のように文庫に顔を出して絵本を楽しんでいました。その頃文庫では、横矢さんが百人一首を子どもたちに教えてくれていました(当ブログ2021年3月11日参照)。その時Rちゃんが百人一首の練習に参加、何と3歳で句をたくさん覚え、文庫で百人一首の話題が出るときに「3歳児でもできる百人一首」として今でも語り草になっています。
Mさんは文庫のクリスマス会でも演技をして盛り上げてくれていました。 そして当時バンビぶんこが参加していた高井戸区民センターでの読み聞かせにもボランティアで参加してくれていて、とても助かりました。
Mさんと文庫での付き合いを考えたときに最初に思い出すのは、「誠実さ」と言うことです。
Mさんはお連れ合いの転勤で杉並から離れ、6年間も通ってくれていたバンビぶんこともお別れとなりました。
数年後Mさんは地方から戻り、住まいを構えた近隣の区に落ち着かれました。
Mさんのその後です。
【Mさん】 図書館業務についてはほとんど知らないまま近所の公立図書館の業務委託の会社のパートを始めました。カウンター業務・配架・予約本の仕分けが中心です。絵本については、長く読み継がれる名作が多く何年も前にバンビ文庫で、親子で存分に楽しんだのがとても役に立ちました。
改修工事で一時業務縮小になった期間に、司書講習を受けに行きました。
2カ月間という短期間での詰め込みは、かなりハードでしたが本当に勉強になりました。特に、図書館の仕事は本が相手ではなく人が相手のサービス業だということを叩き込まれたような気がします。(つい本の方に没頭してしまいそうですが)。
昨年度から指定管理に変わり、仕事の種類が格段に増えました。短時間勤務のパートなので、仕事の覚えはゆっくりですがいろいろな本に接することができるのは楽しく音訳ボランティアと両立させて続けていきたいと思っています。
私は知らなかったのですが、Mさんは「点字図書館の音訳ボランティア」を20年も続けていらっしゃるそうです。素晴らしいですね。
【Mさん】 バンビぶんこ時代に高井戸区民センターでの読み聞かせに参加させていただいたのが“声を出して読むボランティア”のきっかけだったかもしれません。
とおっしゃってくれています。嬉しいことです。
図書館員と聞くと他人事ではいられない私なのです。Mさんの真面目な仕事
ぶりが目に浮かびます。これからの活躍を大いに期待しています。