今日はホテルでその友人のお別れ会がありました。キリスト教の祭司さんが司るおごそかな、でもやさしさあふれる逝去者記念の式があり、献花をして友人のご冥福をお祈りしました。友人と私ははじめはテニスコートでのお知り合いでしたが、テニスの方々にも久しぶりに会ってなつかしく、会話もはずみ、故人の人柄そのもののようなおだやかな素晴らしい会でした。
挨拶をされた故人の友人のスピーチがとても心に残りました。故人が慶應で野球をやっていたのは知っていましたが、もうじき封切られる映画「最後の早慶戦」の舞台にいたとは知りませんでした。その頃慶應は強く、サードにはかの有名な宇野選手がいました。故人は一年生でしたが、田舎に帰っていた先輩に代わってショートを守っていたそうです。野球大好きの私は、この映画に多少の興味はもっていましたが、最後の早慶戦の場面に故人が居合わせたとはびっくりでした。みな学徒兵で戦争にかりだされましたが、戦争で死なずに生還したのは、故人と友人がともに一浪したため、送られた場所によって助かったそうです。運命を感じました。「何人もの同じ学生仲間が戦争で亡くなった、生き残りの一人として『戦争は絶対に許せない、どんな理由があってもしてはいけない』『自分はもう残り少ない人生だけれど、若いみなさんの時代で絶対に戦争をおこさないようにしてほしい』」
お別れ会でこんなメッセージがきけるとは思いませんでした。そういえば故人があるとき「何人もの友達が亡くなっている、戦争は嫌だ」とボソッと言っていた姿を思いだしました。
「最後の早慶戦をぜひみてください。そのショートを守っているのはM君なのです」
絶対見ますよ。野球は大好き、私は昔応援団として大いに早慶戦で興奮したものです。それがMさんの勇姿と重ねられるなんて、素敵です。