2008年10月26日日曜日

ブックトーク in T小学校 その1

先日近くの小学校での読書週間にあわせて、ブックトークをしました。
一昨年に続き2度目です(昨年は校舎建て替えのためなし)。
これはブックトークの準備のため、小学校図書館に行ったときのはなしです。
 
図書ボランティアをしている保護者のAさんから声がかかりました。
「娘が2年前6年生でブックトークをききました。そのときの紹介された本が気になって気になって、タイトルがわからないので教えていただけないでしょうか?」
 
2年前6年生には確か「時」というテーマでブックトークをしました。紹介したは十数冊あり、リストはパソコンでは残っていますが、どの本のことでしょう。とりあえずまわりにいた保護者の方々と「きっと岡田淳さんの本よ」という話になりました。
 
数日後そのAさんから私あての丁寧なメモが読み聞かせのコーナーにおいてありました。
メモの内容は
《娘の記憶によれば ──寝るための時間をもらうために「(ナントカ研究所」へ行き、キカイ?の中で寝て おきたらおじいさんになっちゃった── という物語だそうです。どうも心にひっかかっているようなので、本のタイトルわかりましたら・・・》 というものでした。
 
これをよんだらすぐにわかりました。あの時紹介した一冊は、

『十三等分の時計の秘密』(スピカの創作文学)
中野幸隆著 藤川秀之絵 教育画劇 1992年
 
これだけ詳しい記憶があるなんてすごい、この本は全くそのものずばりの内容です。
それほどメジャーな本ではないので、もしかしたらさがすのに苦労されるかもと思い、文庫にある「十三等分の時計の秘密」をお貸しすることにしました。
 
この本の主人公は小学6年生。受験勉強中で一刻も無駄にしないで勉強しなければならない、 眠る時間も少なく、いつも眠い、そしていつもゆっくり眠りたいという願望をもっている・・・という笑えないようなはなし、それがサスペンスタッチで描かれています。
 
Aさんの娘さんはブックトークの折、ちょうどこの受験勉強の真っ最中、本を読みたくても読めない状況だったようです。晴れて希望の中学に入学して2年目、本好きで図書委員として活躍しているとか。
今彼女がこの本を読んでどう感じるか、結末をどう思うかちょっと気になるところです。
でも2年前の本の内容をこんなに鮮明に覚えていてくれたなんて、すごく嬉しいことです。あの時もずいぶん時間をかけて本選びしたり、進めかたを考えたりしたけれど、こんなに影響があるなんて、子どもたちへの本を手渡す役割の重さを改めて感じたことでした。