2019年6月30日日曜日

文庫の子どもたちと本のはなし ②

RIちゃん(3年生)「ハムスターのすてきなお仕事」を読んで:

《この本に書いてあることが、昔の自分を今の自分に変えてくれた》


「ハムスターのすてきなお仕事」なんでも魔女商会24
あんびるやすこ著 岩崎書店 2016


 文庫に入れた本は子どもたちに紹介するために、また自分のライフワークとしてなるべく読むことをモットーとしています。(全部はなかなか読めませんが)
でも実は私はこの本(あんびるやすこさんのシリーズ本)をしっかり読んだことがありませんでした。これらのシリーズ本はいわゆる子どもに人気のある本で、気楽に読む本、流行の本として置いてあります。子どもたちにいろいろな本に接して欲しい、そして本を読むことを楽しいと感じてほしい、という軽い気持ちで入れた本です。自分で読まなくてもわかっているつもりでした。
この本を読んだRIちゃんの言葉を聞いて、遅まきながらちゃんと読んでみました。

なるほど、RIちゃんの言う意味がわかりました。

自信がなくて一歩ふみだせないでいるひと(動物)たち。いろいろ言い訳をして、結局逃げている。自信なんかなくていい、大事なのは自分の本当の気持ち。そんなことに気づかせてくれるおはなしでした。
自信がなくて、失敗を恐れて一歩踏み出せないのは大人も同じいや私そのものです。
RIちゃんがこれを読んだのは2年生だったはず、とってもしっかり者で何でもよくできる彼女でも最初の一歩は大変だったんだ、早くも気づいたIRちゃんすごい。

子どもが喜ぶカラーのかわいいイラスト満載、魔法っぽいステキな単語も満載、実際に手芸品の作り方なども出ていて、手作り好きの女の子には嬉しい本です。
ハムスター3兄弟のポンポンづくりは文庫の手作り遊びに使えそう。

いわゆる軽いと言われる本でも子どもの心を揺さぶる本がある、個人個人の本に合った年令のときにその本に接したら素晴らしいものを生み出せると、改めて本の魔力を感じました。


2019年6月29日土曜日

文庫の子どもたちと本のはなし ①

先日暑いので初めて扇風機を出した日のことです。
3年生の女の子たちが突然私に聞きました。
「渋川さんの若いころ 扇風機あった?」「もちろんあったわよ。形もあんまり変わらない。一番初めの扇風機は黒くて背の低いものだったわ」
「何がなかったの」「そうだな~ パソコンはなかったよ」(なかったものはいっぱいあるけど、今の子どもたちにわかりやすいのはパソコン関連かな?)
そこで私は「こんな本があるよ」と言って「母さんの小さかったとき」の本を出しました。

子どもたちと本をめくってみました。久しぶりにみたこの本は私にはなつかしいものばかり、遊びや家族、町での生活の様子など私の経験にぴったり、とてもあざやかに描かれているのがあらためてわかりました。
でもこの本が出版されたのは1988年、今から約30年も昔です。
「この本には、今、や保育園から、小学生、中学生ぐらいまでの子どもがいる年令のお母さんたちが、小学生だったころのことが描かれています。・・・」
著者の越智登代子さんは昭和27年生まれ、ご自分の子ども時代でしょうか?
今文庫にくる子どもたちにとっては、母さんではなく、おばあさんの小さかったときの生活を描いた絵本ですね。
子どもたちは集中̪して見ていました。
「母さんの小さかったとき」越智登代子文 ながたはるみ絵
福音館書店 1988