2023年11月10日金曜日

変わった始まりからの新しいご縁(part1)

 友人(Sさん)が亡くなりました。児童書、絵本の翻訳家です。

なんでも話せる、普通と違った視点から物を見られる貴重な友人でした。入院されていて「『もう一度ゆっくり渋川さんと話したい』と回復のための治療を頑張っています」という娘さんの電話でいつかいつかと待っていました。だいぶ良くなられたという電話を受けてホッとしていました。そこに娘さんからの電話、それが訃報でした。







Sさんのお通夜で下北沢に行きました。送られてきたスマホの地図を見ましたが、下北沢は最近すごく変わっていて駅の出口からさっぱりわかりません。どうしようもなく私は歩いてきた若い女性に声をかけました。するとその方はスマホで確認すると、「ここはわかりにくいですね。」と言ってご一緒に歩いてくれたのです。本当にわかりずらい場所で、その方も何回もスマホを確認しながら誘導してくれました。恐縮に思っていると、今は時間があるから大丈夫とおっしゃいます。歩く早さまで気遣ってくれる優しさあふれる方で、お言葉に甘えた私、結構な時間ついて歩いていると、目の前に現場のお寺がいきなりあらわれました。やっと着いたことでホッとしてありがとうと言ってそこで別れました。



友だちとのお別れがすみ、帰りに一人になった私は、やはり道ゆく人をやっと見つけて道をきいてしまいました。そして遠いみちを歩きながら良くぞこの道を案内してくれたものだと感謝でいっぱいになりました。

ところが私は彼女のお名前すら聞きそびれていたのです。ただ一つの情報は歩きながら話した「世田谷代田の駅近で観葉植物のお店がある」ということだけでした。(part2に続く)